2022年度九州インプラント研究会第3回講習会を終えて
第28期 永井伸生 伊東歯科口腔病院
まず初めに、COVID-19が未だ収束しない中、様々な感染防止対策や多くのスタッフの方の尽力により、講習会を受けられていることに感謝申し上げます。
1日目
福田謙一先生の講義は麻酔と全身疾患、救急処置についてでした。超高齢社会である日本では、今後様々な全身疾患を抱えた患者様に対してインプラント治療を行うことが増加していくと考えられます。本日の講義を通して全身疾患への理解を深めるとともに、急変時の対応方法について学ぶことができました。特に、我々歯科医師は日常的に局所麻酔を行うため、局所麻酔のポイントを知ることができたのはとても良かったです。堀川正先生の講義は静脈内鎮静法の理論と実際ということで、開業医である先生が日頃どのように静脈内鎮静法を行なっているのか知ることができました。患者様の体験談にあったように、かなり有効な手段であると感じ、きちんとした知識や経験を積んで、将来自分も開業した際には取り入れたいと感じました。飯島俊一先生の講義ではITインプラントについて学ばせて頂きました。豊富な臨床経験の一端を沢山の資料から垣間見ることができました。中でも驚いたのは、インプラント周囲炎よりも破折の方が多いということでした。長期に安定するインプラントのためには咬合やレントゲンのチェックが大切であることを改めて痛感致しました。また、ITインプラントはあまり馴染みがなかったものの、様々な症例を通して、その有効性を知ることができました。最後は岡村俊之先生によるケースプレゼンテーションでした。活発な議論を通して、ポイントとなる部分が分かったため、自分が発表する際の参考にできればと考えております。
2日目
松下恭之先生の講義はオーバーロードとインプラント治療の偶発症についてでした。成功例だけでなく、色々と失敗例の提示もあり、とても勉強になりました。特に、インターナルインプラントではアバットメントを口腔内で締結し、アバットメントレベルで印象採得を行うことで、より印象精度を上げられるという点については、忘れずに実践していきたいです。竹下文隆先生の講義では、パノラマX線のトレース実習やシミュレーションソフトでの実習もできました。改めて解剖学的知識とともに最新の機器を使用して有効なシミュレーションを行なっていくことが大切なのだと思いました。特に機器の開発は日進月歩であり、新たな機器を宝の持ち腐れにしないよう使いこなせるように研鑽を積んで行かなければと気が引き締まる思いでした。最後は佐藤隆太先生による口腔内撮影方法についてでした。恥ずかしい話、日常臨床においてあまり口腔内撮影を行なっていなかった為、先生の講義を聞き、フィードバックやスキルアップのためにも、何より資料集めのためにも、口腔内写真撮影の重要性を改めて痛感致しました。
2日間に渡る濃密な講義や実習を通して学んだことは、今後の自分の臨床に活かしていければと考えております。残りの講義や実習も実り多いものにしていきたいです。
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第28期3回目の講習会の受講を終えて
第28期 久原史彬 あまの歯科医院(佐賀県杵島郡白石町)
2022年6月18日~19日にかけて第3回の認定講習会を受講させていただきました。
以前よりコロナウイルスの感染対策として認定講習会の開催前には抗原検査を行われていたのですが、今回からこれまで用いられていた物と比較して高い精度を誇る物を新しく採用されたとのことで、以前よりもさらに安心して認定講習会に臨むことができたと思います。
またこういった対策を講習会の度にして頂く講師の先生方やスタッフの皆様ありがとうございました。
1日目午前中は福田先生によるインプラント埋入時の全身管理を学びました。
バイタルサインを持続的に観察できるモニターによる全身管理の大切さが分かりました。
また、点滴実習では日頃の臨床においてあまり行う機会がないため、すごく勉強になりました。
午後は堀川先生による静脈内鎮静法について学びました。
インプラント治療の術前や術中における患者さん不安は相当なもので、不安や緊張感を取り除くことができる静脈内鎮静法について今後もっと勉強していきたいと思いました。
飯島先生の講義はインプラントの種類についての講義でした。様々なインプラントがあり、それぞれに長所短所があるので、状況に合わせてそれぞれのインプラントを用いた埋入を計画していくことの大切さを学びました。
2日目午前は松下先生によるインプラント治療におけるオーバーロードについての講義でした。インプラントも埋入すれば終わりではなく、長期的に保存していくためにはインプラントにかかる力のコントロールの大切さであることを学びました。
竹下先生の講義では歯科用コンビームCTを用いたサージカルガイドについての講義でした。また、実際にインプラント体の埋入のシミュレーションをパソコン上で行う事ができ、良い経験をすることが出来ました。
佐藤先生の講義では口腔内写真撮影について学びました。
普段の口腔内写真では撮り方についてあまり気にしたことが無かったのですが、拡大率や写真の中央の場所などといった基準を作ることにより、誰が撮っても同じ条件で口腔内写真が撮れることは、前後の比較においては凄く大切なことであり、こういった口腔内写真を今後撮れるようになっていきたいと思いました。
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2022年度 九州インプラント研究会 第3回講習会の感想
第28期 熊本市 サンフラワーデンタルクリニック 院長 岡村 俊之
2022年6月18日(土)、19日(日)に熊本市国際交流会館にて第3回目の講習会がありました。
18日は福田謙一先生の講義で、「麻酔と全身管理、救命救急処置」でした。モニターの大切さや、緊急時の行動などを教わりました。その後、堀川正先生の点滴実習があり、20年ぶりにマネキンを用いてルートを行いました。無事マネキンのルートを確保できました。
午後からは、堀川正先生の「静脈内鎮静法の理論と実際」で、いかに患者さんを緊張させないで、リラックスした状態で手術を受けて頂くことが大切かを学びました。
午後からは、飯島俊一先生の講義で、今までの豊富なインプラントの経験をもとに、数多くのインプラントについて説明して頂きました。ご自身で開発されたインプラントの説明も大変勉強になりました。本日最後になりますが、私の28期KIRG初の症例発表でした。約1か月前に伊東会長から「症例発表して」と言われてから、症例を探しましたが、良い写真がなかったり、レントゲンがなかったり、かなり選考を要した症例発表でした。著名な先生方の前での発表で、かなり緊張しましたが、多くの先生方からの優しいアドバイスを受け、訂正しないといけない部位や付け加えないといけない説明などわかりやすく教えて頂き、大変勉強になりました。
19日はこの日はどうしても外せない用事があり、伊東会長にその旨を説明すると、ZOOMでの参加を快諾して頂きました。
午前中は松下恭之先生で、「オーバーロード」に関する話でした。オーバーロードを引き起こす様々な因子を可及的に取り除く方法とその大切さを学びました。
午後からは、竹下文隆先生の「ガイドとシミュレーション」でした。当院でもCT、ガイドを使用していますが、解剖学的な注意点や最新のデジタルの情報についても教えて頂きました。最後は、佐藤隆太先生で「口腔内写真」についてでした。以前、他のセミナーで口腔内写真の撮影を学んだのですが、忘れていることも多く、細かい注意点なども再確認でき、有意義な話でした。
福田謙一先生:麻酔・全身管理・救急の講義
受講風景1
血管確保実習(デモ)
血管確保実習
飯島俊一先生:各種インプラントの講義
岡村俊之先生:第28期受講生ケースプレゼンテーション
インプラントシミュレーション実習
松下恭之先生:インプラント補綴学の講義
佐藤隆太先生:口腔内写真撮影の講義