第28期 湯浅 主庸 辻歯科口腔外科総合クリニック(福岡)
2022年9月17日、18日に熊本市国際交流会館にて受講いたしました。
今回は台風の影響もあり、現地参加とWebとのハイブリット方式で講義がありました。
1日目は林楊春先生、森永太先生、副島太悟先生、竹田博文先生が現地にて講義され、今期受講されております前野博毅先生のケースプレゼンテーションが行われました。
林先生は抜歯即時埋入、即時荷重についてです。即時埋入の基本的な考え方からアドバンスのことまで、幅広くそして熱くお話ししていただきました。ルートメンブレンの活用の仕方、前歯の場合は極力縦切開は避けること、様々なテクニックを学びましたが、何より、林先生の今までの経験がより一つ一つの説明に説得力がありました。
森永先生は超高齢化社会の現在において、インプラントの在り方について話していただきました。まさに今、私は施設入所中でインプラント埋入されており、口腔内清掃が十分にできない患者様をケアしています。おそらく今後、このような患者様が増えていく一方だと感じます。そのような現代、どう対応していけばいいのか、埋入しているインプラントの対応はどうするのか、を細かくお話していただきとても勉強になりました。
副島先生は訪問診療の現状と課題についてです。要介護になった方は特に自身で口腔内清掃は難しく、知識やテクニックを教えていただきました。個人的には、上下総義歯リマウント後の咬合回復はとても圧巻させられました。さらに歩行困難な患者さんが口腔清掃や咬合回復後、歩行可能まで回復されたことに口腔管理の必要性を改めて実感させられました。
竹田先生はアンキロスインプラントの基本的なこと、臨床ではいかに応用しているかを講義していただきました。プラットフォームシフティングとテーパーコネクションとの有用性について深く理解できました。竹田先生が実際行っている臨床でのノウハウ、埋入前から補綴セットまでの流れに対して詳しい説明をしていただきました。インプラント初心者の私にでもわかりやすい内容でした。
最後は前野先生のケースプレゼンテーションです。前野先生、大変お疲れさまでした。様々な先生からご指摘がありましたが、私も勉強させてもらいました。今後本番のケースプレゼンテーションを受けられると思いますが、とても有用なものになったかと感じます。私も前野先生に負けないように頑張ります。
2日目は小宮山彌太郎先生、勝山英明先生がWebにて講義していただきました。
小宮山先生はブローネマルクインプラントにいついてご講義していただきました。ブローネマルクインプラントというよりはインプラントに携わる者として必要なことについて熱く語っていただきました。機材や材料、新しいものが気楽か?とてもそうではない。古いインプラントシステムでも長きに渡り成績がいいインプラントも存在する。自身でメリット、デメリットを調べ臨床に生かすことが大切だ、という臨床家としてとても重要な考え方を教えていただきました。
勝山先生はリッヂオーグメンテイションについてです。自分が行おうとしているリスク評価は必ず行うこと、審美領域では垂直吸収の大事だが、唇側骨がどうイメージできるかが重要である、ということを学びました。私には全体的にアドバンスな内容に特化したものと感じましたが、逆に言えば、インプラント治療でここまでQOL回復するのかと、ただただ感動していました。
今回もどの先生方の講義も身になるものとなりました。残り2回となりましたが、最初の頃と比べるとはるかにインプラントの知識が増えてきているのが切に実感しております。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
2022年度 九州インプラント研究会第6回(9月)認定講習会を終えて
第28期 川口悟史 川口歯科医院(福岡)
9月17日(土)最初の講義は、林揚春先生による抜歯即時埋入・即時負荷についてでした。
抜歯即時埋入の講義を初めて聞かせていただきましたが、ショートインプラントを使用することで、低侵襲でありながら低リスクの治療ができることを知りました。
垂直的な骨量がない場合でも、治療期間が短く、低侵襲であるということは、患者さんにとってもメリットが大きいと感じました。是非臨床で取り入れたい術式です。
午後は森永太先生の講義から始まりました。
超高齢化社会におけるインプラント治療の役割について考えさせられました。特に印象に残ったことは、インプラント治療の効果は他の補綴治療よりも格段に患者満足度が高いこと。患者さんがご高齢になっても安定した状態を保てるよな治療計画が必要であることです。
平均寿命も延びていく中、患者さんの生活を支えるインプラント治療を行うために、しっかり向き合いたいと思います。
午後2限目は、副島太悟先生から訪問診療の講義がありました。
私は訪問診療をしたことがないため、副島先生の講義は貴重でした。はじめに驚いたのは、歯科受診をしたくても通院できない高齢者が多くいるという事実でした。訪問のニーズは高く、これからの時代は在宅でケアをしていく流れになると感じました。訪問診療をしていくための勉強と準備をしていきます。
午後3限目は竹田博文先生によるアンキロスインプラントシステムについての講義でした。
様々なインプラントシステムがありますが、それぞれの製品の特長とコンセプトを熟知した上で扱うことを学びました。万能なインプラントシステムはなく、症例や状態に応じたインプラントシステムを考えていきたいと思います。
9月18日(日)は小宮山彌太郎先生の講義でした。
オッセオインテグレ―ションを発見された、ブローネマルク教授のもとで学ばれ、長い間インプラント治療に従事されている権威の先生から直接学べる貴重な時間でした。
生体組織ではないインプランを長期安定させるためには、基本的なコンセプトを守る必要があること。特に、手術時の感染対策を徹底して行うことは、とても重要だと再認識しました。また、全身疾患を持っている患者さんに対し、主治医への対診をしっかり行うことや配慮も大切であることを学びました。
基本を守り、患者さんのことを第一に考える心構えで仕事をしていきます。
2日目2限目は勝山英明先生の講義でした。
インプラント治療のための歯槽堤増大についてお話がありました。とてもハイレベルなケースの内容でしたが、GBRの時の材料の選択基準、切開の考え方など、多くの学びがありました。これからも学びを深めていきます。
KIRG認定講習会も第6回目を終え、かなりの量の知識を得ることができました。患者さんの生活を支えるインプラント治療をするために、しっかりと復習をしていきます。
第28期 九州インプラント研究会認定講習会第6回 感想
村山暢 大林歯科小児歯科医院(福岡)
1日目
林揚春先生:抜歯即時埋入・即時負荷の有意性、適応症、注意点について、大臼歯部領域、審美領域それぞれにおける重要なポイントを講義していただきました。大臼歯部領域では埋入ポジションの考え方や径の選択、審美領域ではガミースマイルの症例やルートメンブレンテクニックなどに関して豊富な症例をご提示頂き、どれも大変目新しく、興味深い内容でした。
森永太先生:高齢者の現状、インプラント治療の目的とその効果、口腔機能の回復、また長期症例から見えてきた問題点、高齢患者の問題点とそれらへの対応について御講義いただきました。オーラルフレイルと口腔機能低下、高齢化に伴う問題等について再考するきっかけとなりました。
副島太悟先生:超高齢社会の日本における高齢者の口腔の現状、口腔ケアの重要性について改めて理解できました。先生が実践されている認知症患者さんへの口腔ケア、インプラントを埋入されている高齢者への口腔ケアを通じて、フレイルへの早期介入や多職種連携の必要性について再認識できました。
竹田博文先生:アンキロスインプラントシステムの特徴であるテーパーコネクションとプラットフォームスイッチングについて御教示いただきました。バットジョイントとテーパージョイントの骨縁の変化や軟組織の付着についての比較、マイクロムーブメントの抑制におけるテーパージョイントの有用性などについて理解することができました。
2日目
小宮山彌太郎先生:ブローネマルクインプラントシステムの特徴、バットジョイントの利点、高床式の利点など、長期間の適用を前提とした修復における時間軸咬合という概念について学びました。短期間での理想的な状況だけに目を向けるのではなく、長期間経過後の生物学的ならびに機械学的な変化に、いかに患者の負担を抑えて対処できるかを考えるというのはインプラントに限らず全ての歯科治療に通ずることだと感じました。
勝山英明先生:審美的部位のリッジオーグメンテーションについてご講義いただきました。歯の欠損様式と骨欠損のタイプ、骨欠損が大きい症例に対する骨造成、移植後の治癒について、先生の豊富な症例をもとに理解することができました。
残すところあと2回となりましたが、講師の先生方から1つでも多くのことを学び吸収させて頂きたく思います。今回も大変貴重なご講演を賜り、ありがとうございました。