29期(2023年度)公益社団法人日本口腔インプラント学会 認定講習会カリキュラム
主催 九州インプラント研究会
29期 落合友香 (大阪府箕面市開業)
第五回2023年8月19日・20日 熊本市国際交流会館にて
8月19日(土)1日目
・添島義樹先生 9:00~10:00
「ボーンレベルインプラントの特徴と臨床」
ストローマンのボーンレベルインプラントについてストローマンインプラントの歴史、表面性状、テッシュレベルインプラントとの違い、アバットメントの種類などを学びました。適応症として欠損部の近遠心的スペースの制約がある場合や骨幅が狭い場合、審美領域など2回法でも適応できることを学びました。また審美領域での埋入ポジション・深度について詳しく学びました。使用するインプラントの特性
を理解し、長く審美的に機能する埋入を行いたいと思いました。
・加来敏男先生 10:00~12:30
「ストローマンガイドサージェリーの臨床」
トラブルを避けるため、また長期安定のインプラント治療にとってインプラントの選択も大事ですが埋入位置が非常に大切ということを改めて学びました。理想的なインプラントを埋入することとは位置・深度・角度が理想的に埋入されるということであり、限られた時間の中で患者の負担を減らし理想的に埋入するためにはガイドサージェリーは必須であることを学びました。
次回からのオペではガイドを使って埋入していこうと思います。
・田中秀樹先生 13:30~16:30
「審美エリアでのインプラント補綴」
審美エリアでのインプラント治療について軟組織や硬組織のマネージメントを含め豊富な症例とともにわかりやすく説明していただきました。検査と診断をしっかりと行い必要な処置を予め予定して綿密な計画のもと審美治療の長期にわたる良好な結果が得られるのだと思いました(どの治療もそうかもしれません)。
・CasePresentation 1 広島市 櫻井先生
詳しい検査、それに基づいた治療計画を立案され素晴らしいなと思いました。私も診断までの検査を充実させ、全顎的に長期に渡って良い状態が維持できるような治療計画を立案しようと思いました。
・CasePresentation 2 箕面市 落合
とても緊張しました。
私の眼と先生方の眼は見ているところが違うということを痛感しました。長期にわたって患者様の健康な口腔内を維持できるように研鑽を積み、歯科医師としての眼を養いたいと思います。
・懇親会
講義をされた先生方、九州インプラント研究会の先生方と美味しい食事をいただきながら歓談いたしました。
8月20日(日)2日目
・武田孝之先生9:00~12:00
「インプラントのリスクファクター」
一度入れたインプラントは長期にわたって患者さんの口腔内にありますが、それが患者様が寝たきりになったとしても容易にメインテナンスできるように、入れる前から考えなければいけないと思いました。
・飯島俊一先生13:00~16:00
「インプラント補綴 種類と製作法CAD CAM」
インプラントが長期にわたって良好に噛めるためにはインプラントの選択や埋入位置も大切ですが上部構造の設計や精密さもとても大事だということを学びました。ITインプラントは私が疑問に思っていたことを解決できるインプラントでとても興味を持ちました。
(第五回目の感想)
インプラント体の選択はとても大事だと痛感しました。今まで何も考えずにインプラントを埋入していました。エクスターナルコネクションでセメントリテインしていました。講習会を受けてからインターナルコネクションインプラントにしましたが今度は埋入時、骨密度が高い患者さんに使用した際、折れるんじゃないかと心配になりました。講義を聞いて、エクスターナルはスレッド2番目くらいまで骨吸収しやすくインプラント周囲炎に罹患しやすい、一方でインターナルは薄いので破折しやすいことを
学びました。その両方を補うITインプラントにとても興味を持ちました。症例発表を行い先生方に指摘されることで今まで見えていなかったことが見えるようになりました。
患者様の生涯の健康プランを歯科医師の立場で考え、来院が困難になっても患者さんやそのご家族が安心して暮らせるような治療を心がけないといけないと思いました。
第29期KIRG認定講習会
第5回感想文
第29期 櫻井博之 さくらい歯科(広島県広島市)
・添島義樹先生
ストローマンインプラントにおけるアバットメント及びスクリューの締結様式で、純正のものと社外品のものの比較を示していただきました。
その具体的な違いは知らないまま純正品を使用しておりましたが、純正品を使用することの正当性について理解が深まりました。
・加来敏男先生
インプラントガイドサージェリーについて、その基本や注意点・勘所をお教えいただきました。
中でも、
角化粘膜の情報をCT画像に取り込むテクニック、
アーチファクトを骨から遠ざける撮影法、
遊離端欠損症例においてスリーブを骨に当ててサージカルガイドの沈下を防ぐテクニック、
骨質の影響を受けにくいフライスドリルの使用とガイデッドサージェリーにおける活用法、
など、実際の臨床において実践的でたいへん有用と考えられる内容でした。
フライスドリルとガイドピンはその日のうちに飯島先生にお願いして購入させていただきました。
近々使用したいと考えております。
・田中秀樹先生
審美的なインプラント補綴治療についてご教示いただきました。
まずは、私がインプラント治療を学び始めたときに最初に読ませていただいた書籍が田中先生の執筆されたもので、当時は聖書のように持ち歩いており、その田中先生の講義を受けることができ、たいへん光栄でした。
内容も軟組織の取り扱いにおける注意点、抜歯即時埋入・IIPPについてのエビデンスベースのご講演といった内容でたいへん勉強になりました。
また、特筆すべきは創面保護と暫間的な咀嚼機能回復のための床なし部分義歯の活用に関してはたいへん感銘を受けました。
このテクニックも是非臨床応用させていただきたいと考えております。
・武田孝之先生
時間軸を考慮したインプラント治療について再認識致しました。
短期的な失敗症例の経験はありますが、長期的にみてそれが失敗なのかの判断もつきにくい経年的変化というのもあろうかと思います。
画一的な治療ではなく、患者の背景や治療後の変化についても注意深く観察していくことの重要性を学びました。
・飯島俊一先生
インプラントの種類による利点・欠点、上部構造との連結様式について多数の症例とともにご講演いただきました。
経年変化に対応できるシステムや、上級者向けかとは思いますが条件の良くない部位での幅径の細いインプラントの活用は、トラブルに対するリスクヘッジとなり治療の幅も広がると感じました。
第29期 KIRG認定講習会
福岡歯科大医科歯科総合病院 中上昌信
今回で5回目と講習会も後半戦に入り、ますます深い内容の講義が続いています。毎回高度な内容も多く、実のところついていくのがやっと(ついていけていないことの方が多いかもですが)で、頑張って受講している状況です。私自身は、まだインプラント治療の経験が無く、これからこれからインプラント治療を行っていこうと思いこの研究会に参加しております。
簡単ですが講義の感想を書かせて頂きます。
1日目(8月19日)
・添島義樹先生「ボーンレベルインプラントの特長と臨床」
ボーンレベルインプラント、ボーンレベルテーパードインプラントの登場により骨幅が狭小な部位や審美領域での治療がしやすくなり、骨造成など侵襲の大きな処置を避けることが可能になったことを学びました。症例に応じて使い分けが必要であると感じました。
・加来敏男先生「ストローマンガイドサージェリーの臨床」
精密な治療計画と正確な埋入を行うために、ガイドサージェリーの重要性をお話し頂きました。ガイドを使えば、難症例に対しても成功率の高い施術を行うこともできるようでした。加来先生のようにベテランの先生ほど、きちんとした手順を踏んで治療に臨まれているのだと改めて感じました。
・田中秀樹先生「審美的インプラント補綴と必要な術前処置」
結合組織移植術は審美領域の治療のみならず、歯周組織を良好に保つためにも必要な状況が良くあると思います。満足いく結果を出すためには十分な診査診断の上に成り立つものだと思いました。切開線を決めるにあたっても血流を考慮したり、骨造成を行う場合には変えたりと一通りではないことを学びました。全身や顔貌と口腔との調和も考慮しなければならないと思いました。
・ ケースプレゼンテーション(櫻井先生、落合先生)
お二方とも開業されており、日々忙しい中で受講生を代表してケースプレゼンテーションを行っていただきました。講師の先生が何人も見ている中でのプレゼンテーションは緊張されたと思いますが、お二方とも素晴らしい発表をされてました。私もお二方のようなプレゼンテーションができるように、日々の診療に真摯に向き合っていこうと思います。
2日目(8月20日)
・武田孝之先生「インプラントのリスクファクター」
先生方がご経験された症例を自分だったらどうするか考えることで学ぶことが多かったです。診断は1つであるが治療方針は複数ある中でさまざまな治療法を提案できるようになるためには幅広い知識と技術と学ばないといけません。現在の状態から過去を推察し、未来のリスクの評価をすることで考える力が身につくのだろうと思いました。
・飯島俊一先生「インプラント補綴」
100時間コースの中で3回目の飯島先生の講義でした。毎回先生の講義受講させていただく度に、飯島先生のインプラント治療に対する熱意のすごさに驚いています。私も先生のように、日々の診療にしっかり向き合っていこうと改めて思う講義内容でした。