第29期KIRG認定講習会 第6回感想文
第29期 古賀 一旭 古賀歯科医院(福岡県)
2023年9月23日24日に、熊本市歯科医師会館にて受講いたしました。
9月23日 午前9時~12時
・松井 孝道先生
松井孝道先生は、インプラント周囲炎の治療とメンテナンスについて講義していただきました。
自分自身インプラント周囲炎の治療やメンテナンスに関する知識などがあまりなく、とても勉強になる講義でした。インプラント周囲炎に対して、まずは、非外科的治療を行い、インプラント周囲骨の吸収が著名に進行しており、当然予後不良で抜去が予想されるようなケースでも非外科治療により劇的に改善した症例などは驚きと共にすごく参考になりました。非外科的治療は短期的にみるのではなく、長期的にみていく場合もあるとのことで松井先生の講義を受けて日々の診療に役立てていきたいと思います。
午後13時~16時
・林 揚春先生
林揚春先生は、抜歯即時埋入、即時荷重の臨床について講義していただきました。
即時埋入の基本的な考え方から、アドバンスのことまで、幅広く講義していただきました。即時埋入に関して今までほとんど聞いたことがなかったのですが、ショートインプラントを使用することで、低侵襲で低リスクの治療ができることを知りました。治療期間が短く、低侵襲であることは、患者様にとってメリットが大きいと感じました。何より、林先生の経験が、より一つ一つの説明に説得力がありました。
午後16時~18時
・竹田 博文先生
竹田先生は、アンキロスインプラントの基本と臨床について講義していただきました。アンキロスインプラントの基本的なことから臨床でどのように応用しているかについて詳しく説明していただきました。アンキロスインプラントの特徴や、コンセプトを理解し、症例や状態に応じてインプラントシステムを考えていきたいと思います。
9月24日 午前9時~12時
・小宮山 粥太郎先生
小宮山先生は、ブローネマルクインプラントの基本と臨床について講義していただきました。
オッセオインテグレーションを発見されたブローネマルク教授のもとで学ばれ、長い間インプラント治療に従事されている権威の先生の講義は、とても貴重な時間でした。古いインプラントシステムでも、長期的に成績が良いインプラントも存在する。機材や材料、新しいシステムが全ていいかと言われるとそんなことはなく、自分自身で調べたり、論文を熟読することが大切なことだと再認識させられました。
午後13時~16時
・勝山 英明先生
勝山先生は、インプラント適応症拡大のための組織増生について講義していただきました。審美的部位のリッジオーグメンテーションについて詳しく説明がありました。歯の欠損様式、骨欠損の種類、骨造成、移植後の治癒など盛りだくさんの内容で、私自身には、とてもハイレベルなケースの内容のように感じましたがとても勉強になりました。
KIRG も6回目を迎え、残り少なくなってきましたが、少しでも多くの学び吸収していきたいと思います。
毎回会場に来て頂いてる講師の先生方はもちろん、KIRGに関わって頂いている全ての方に感謝申し上げます。
2023年度 九州インプラント研究会 第6回講習会を終えて
第29期 義村泰蔵 佐賀県武雄市 ふるの歯科医院勤務
2023年9月23日(土)、9月24日(日)の2日間にわたり熊本県歯科医師会館にて第6回講習会を受講致しましたので報告させて頂きます。
1日目 午前の部 (松井孝道先生)
「インプラント周囲炎の予防とメンテナンスおよびリカバリー」について講義して頂きました。講義冒頭での ”インプラント周囲炎のリカバリー方法を習得せずしてインプラント埋入を行うべきではない” という松井先生のお言葉にはっとさせられ、とても大事な分野をおろそかにしていた事を痛感致しました。講義ではインプラント周囲炎の治療に用いられる器具・材料の特性から松井先生の長きにわたる臨床経験からみたそれぞれの治療方法の効果までを論文ベースでご教示して頂きとても勉強になりました。
1日目 午後の部 前半(林揚春先生)
「抜歯即時埋入、即時荷重の臨床」について講義して頂きました。インプラント治療における骨幅が足りない症例に対するGBR等の骨造成術は長い治療期間を要する上に、術後の腫脹・疼痛など患者様にとって苦痛となることもあるということから、グラフトを用いない意図的穿孔による上顎洞底挙上術を多くの症例を交えながら講義して頂きました。垂直骨量1〜2㎜の骨幅に対して予めの骨造成なしにインプラント埋入を行う術には目から鱗で驚嘆致しました。患者様が術者に求めるものは何か?という患者様目線の思考を見つめ直すとても良い機会となりました。
1日目 午後の部 後半(竹田博文先生)
「アンキロス(プラットフォームシフティング)の基本と臨床」について講義して頂きました。皮質骨のボーンロスはマイクロギャップのサイズではなくマイクロムーブメントに大きく影響されるということで、プラットフォームシフティングが持つ①インプラント周囲組織のボリューム増加、②周囲骨への応力減少、そしてテーパーコネクションが持つ①マイクロギャップ・マイクロムーブメントの減少などの特性が臨床、特に審美領域においてとても有効に働くということを臨床における症例を通してご教示して頂きました。インプラントはたくさんの種類が存在するので、インプラントの選択においてもとても参考になりました。
2日目 午前の部 (小宮山彌太郎先生)
「ブローネマルクインプラントの基本と臨床」について講義して頂きました。
まず “歯科医師そして臨床家である前に社会人であれ“ ということで、人として患者様あるいは業者の方々にどのように振る舞わなければならないかという医療従事者としての心構えから指導して頂きました。講義の中では、生体組織にとって異物であるインプラントを長期安定させるために必要な基本的なコンセプト、徹底した感染対策、そして主治医との連携、術後のメンテナンスの重要性などを学びました。“患者様が亡くなるか、自分が診療ができなくなるかまでのどちらかまで付き合いは続く“ というブローネマルク先生のお言葉をしかと受け止め、歯科医師としての責務を果たしていきたいと思います。
2日目 午後の部 (勝山英明先生)
「リッジオーグメンテイション〜審美的部位へのアプローチ〜」について講義して頂きました。欠損様式、骨欠損のタイプ、全身状態などの術前のリスク評価を徹底して行った上で骨造成の選択、切開線などを選択していく重要性を、1歯欠損から多数歯欠損のハイレベルなものまで豊富な症例を交えながらご教示して頂きました。インプラントを適切な位置に埋入して審美的および機能的に安定させるために必要な骨造成がいかに患者様のQOLを向上させるかということを改めて認識してすることが出来ました。
今回も、全て臨床に直結する内容の濃い研修となりとても有意義な時間を過ごすことができました。研修会もいよいよ終盤に入っていきますが、一つでも多くの知識を得られるよう最後まで必死に取り組んでいきたいと思います。
第29期KIRG認定講習会 第6回講習を受けて
29期 馬場寛一(熊本市 せきかつひろ歯科口腔クリニック)
1日目は松井孝道先生、林揚春先生、竹田博文先生に講義していただきました。
松井先生にはインプラント周囲炎の予防とメンテナンスおよびリカバリーということで講義いただきました。様々な方法を用いた多数の症例を紹介していただき、インプラント周囲炎に取り組む姿勢に対して熱意を感じました。インプラント周囲炎に対しては様々な引き出しが用意できるように今回得た知識を忘れないようにします。また、普段のメンテナンスの重要性を再認識しました。
林先生は抜歯即時埋入、即時荷重の臨床ということで講義していただきました。ショートインプラントは臨床であまり目にする機会がなかったのでとても新鮮でした。骨補填材の必要がなく治療期間の短縮による患者の負担軽減という点でとても優れていると感じました。
竹田先生はアンキロスインプラントの基本と臨床の講義をしていただきました。アンキロスインプラントの特徴、プラットフォームスイッチングの有意性について深く理解できました。実際の埋入からアバットメントの選択、種類、セットまでの流れも示していただきわかりやすい内容でした。
2日目は小宮山彌太郎先生、勝山英明先生に講義していただきました。
小宮山先生にはブローネマルクインプラントについて講義していただきました。
インプラントに携わる者としての考え方や向き合う姿勢について熱く講義していただいたのが印象的でした。ブローネマルク教授のもとで学ばれた先生に直接講義していただき貴重な時間となりました。
勝山先生はリッジオーグメンテーション審美部位へのアプローチということで講義いただきました。歯の欠損様式と骨欠損のタイプ、その症例に対する治癒について症例とともに理解することができました。
今回も多くのことを学ぶことが出来ました。
貴重な時間を割いていただいた先生方、事務職員の方々に感謝申し上げます。
ここで学べることに感謝して最後まで知識、技術を吸収していきたいと思います。
次回もよろしくお願いします。
伊東隆利会長のショートスピーチからスタート。コースも終盤となりました。
松井孝道先生 インプラント周囲炎の講義
林揚春先生 抜歯即時埋入、荷重の講義
竹田博文先生 プラットフォームスイッキングの講義
熱心な受講生の皆さん
小宮山彌太郎先生 インプラントに向き合う姿勢の熱い講義
勝山英明先生 リッジオーグメンテイションの講義