29期 KIRG認定講習会 第8回感想文
29期 鶴野 剛士 鶴野歯科医院(熊本県葦北郡津奈木町開業)
4月に始まった認定講習会も最後を迎えました。
終わってみるとあっという間でした。講師の先生、受講生の先生方に恵まれ楽しい時間を過ごさせて頂きました。
特に伊東口腔病院、添島歯科医院のスタッフの方には大変お世話になりました。これだけ受講しやすい環境を整えて下さるセミナーは僕の経験上ありません。Fare Well Partyでは緊張して感謝の言葉を言うのを忘れてしまいましたので、この場をお借りして御礼申し上げます。
今回も非常に有意義な講習会であり、簡単ではありますが感想文を書かせて頂きます。
・渡邉 文彦先生「インプラント治療の展望」
講義内容はインプラント治療のトラブル、トラブルを最小限にするためには、インプラント患者の加齢と対応についてでした。
補綴的・審美的観点から考えるインプラント治療について様々な文献を提示し分かりやすく教えて頂きました。
スクリューを手締めで行っている先生をよく見るのですが、ラチェットを使用しないとスクリューが緩みやすいという事も教えて頂きました。
・矢島 安朝先生「インプラント治療のトラブルシューティング」
インプラント関連医療事故が発生した時にどのように対処するかという内容でした。
一言でいうと非常に分かりやすく、明日から臨床に即導入できる講義でした。
特に、実際の手術中の上顎洞、下顎骨舌側への穿孔の画像を提示して頂き、私の頭の中で細かくイメージができ
机上で解剖の勉強をしていたものとマッチし、インプラント手術の恐怖を払拭する事ができました。
早速先生のDVDを購入しましたので、近日院内セミナーを開催する予定です。
・杉山 正美先生「医療訴訟から学んだこと」
ご自身の医療裁判の実体験を講義して頂きました。
私は患者様とのトラブル発生時、トラブルに対する免疫がない事から落ち込んだりする事がよくあります。
ですので講義受講前は「ネガティブな内容は正直あまり聞きたくないな。」という気持ちでした。
しかし受講後は聞いて良かったという気持ちに変わりました。
当たり前の話ですが、このような訴訟が起きても対処の仕方が分かっていれば、精神的な負担が大きく軽減されると思います。
大体悩みがある時は、解決策が見えない、答えは出ているのに無駄に頭で考えるかのどちらかだと思います。
杉山先生の講義は訴訟が起きた場合の対処の仕方をしっかり提示して頂き、トラブルが起きても大丈夫だと思える事ができる内容でした。
29期 KIRG認定講習会 第8回感想文
29期 櫻井 博之 (広島市 さくらい歯科)
・渡邉先生
インプラント治療を計画する上で考慮すべき点について、太さ・角度・上部構造連結様式・スクリューの素材・骨への熱の影響などエビデンスベースの内容を学ぶことができました。
また、治療後に口腔清掃が困難になった場合も想定した治療計画を考慮することの重要性を学びました。
・矢島先生
インプラント治療におけるトラブルとその対処法、さらにトラブルを未然に防ぐ方法を学びました。
また、上顎洞粘膜損傷による影響やインプラント撤去基準についても理解を深めることができました。
そして、緊急時の対応として実践的で、自分も含めスタッフへの教育にもたいへん有用と考えられるDVD教材のご紹介があり是非ロールプレイを行い医院のチーム力を高めていきたいと存じます。
専門医制度に関してはまだ今後も変動があろうかとも考えられますが、私自身まだまだ経験の浅い身ではあるのでまずは基本的な知識と技術を身につけて良質な治療を提供できるように精進したいと存じます。
・杉山先生
私が学生であった約20年前に講義の中で、国の方針で弁護士の数を3倍程に増やす事になりそうで歯科医療に対する訴訟の数も増える事になりそうなので、知識・技術は勿論、インフォームドコンセントやラポール形成、カルテ記載はより重要度が増してくるだろうという話がありました。
患者を取り巻く環境や疾患など様々な要素が複合し、予期せぬことから訴訟へと発展する可能性があるという事を常に意識する必要があることを改めて感じました。
・横田先生
咬合性外傷、歯周炎、難治性根尖性歯周炎の三者に対して私にとってはまさに目から鱗が落ちるようなご講演内容でした。
歯周炎による歯の移動及び挺出からの咬合干渉、歯周治療による歯の移動を考慮した歯科治療の重要性を学びました。
また根管治療においても可視化しにくい場合も多々あろうかと考えられますが、セメント質剥離・破折を伴う根尖病変の可能性も意識しながら診療にあたる必要性を感じました。
・若松先生
インフォームドコンセントにおいて法的に説明すべき内容について理解が深まりました。
私の日常臨床の中では代替治療についての説明が不足していたように感じ、今後の治療説明ではしっかりと留意していきたいと存じます。
・佐藤先生
ゼニス出版「口腔インプラント治療と上顎洞合併症」という書籍を拝読致しておりました。
今回のご講演内容も上記書籍同様に歯科医目線に寄せていただいているようで、複雑な内容にもかかわらずたいへん分かりやすく学ばせていただきました。
書籍内では貴重な内視鏡画像もたくさん掲載されていたものの実際どのような角度から撮影されたものか理解が浅かったのですが、動画や実際の器具の解説もいただいた今回のご講演で理解を深める事ができました。
記憶の新しいうちにと現在改めて読み返しているところです。
2023年度 九州インプラント研究会第8回講習会を終えて
島村 怜
1日目
渡邉文彦先生の講義はインプラント医療の展望という内容でした。
長期にわたる基礎研究と臨床のお話を聞けて少し重いテーマでしたが勉強になりました。また歯科医師としての倫理観の重要性を改めて考えることができました。
矢島安朝先生のインプラント治療のトラブルシューティング、そして今後の専門医機構の講義でした。DVD「緊急事態!歯科診療室でこんなときどうする?」は大変有用だと感じ、購入してスタッフと共に勉強しようと思いました。インプラント手術時だけでなく通常の診療でもいつトラブルや事故が起こるかわからないため、しっかり事前に準備をしたいと思います。
杉山正美先生は医療訴訟から学んだことというテーマでお話されました。重いテーマでしたがご自身の実体験を伺うことができ非常に勉強になりました。
2日目
1講義目は、横田誠先生の人生100年時代の噛める歯周病学でした。
伊東歯科口腔病院に勤務中に数年間講義を受けていたので再びお話を聞けて嬉しかったですし、アップデートされていて非常に勉強になりました。
若松陽子先生の講義はインプラント治療に関する法についてでした。講義は内容、情報量ともに多く、大変わかりやすかったです。今後の歯科医師人生でも気をつけて診療していきたいと思いました。
佐藤公則先生の講義はインプラント治療に伴う上顎洞合併症の病態と治療に関する内容でした。以前多くの上顎洞炎患者を診てきましたが、連携医に先生のような耳鼻咽喉科の先生がいらっしゃれば心強いなと感じました。
最後に、多くの関係者の皆様、講師の先生、同期受講生の皆様のおかげで無事に8ヶ月間の講習会を終えることができたことに感謝申し上げます。今回は最終回ということで1日目の講義終了後にフェアウェルパーティーが催されました。講師の先生や同期受講生と交流でき、さまざまな話をさせていただきました。非常に勉強になり、またいい思い出になりました。今回のKIRG認定講習会で出会った方々との繋がりは、自分の歯科医師人生における非常に大きな財産になったと感じています。
今回学んだことを復習し、日々の臨床に活かしながら歯科医師として成長できるよう精進していきたいと思います。
2023年度 九州インプラント研究会( KIRG )第8回 感想文
2023年11月18日、19日 場所:熊本歯科医師会 3F
第29期 大林歯科小児歯科医院(福岡県) 大林佑子
【1日目】
9:00~12:00 インプラント医療の展望 社会が求めるインプラント治療
担当:渡邉 文彦 先生
社会と患者が求めるインプラント治療をベースに講義がありました。つい術者目線での治療を患者に提案し、そのまま治療が進行してしまいがちではあるが、『すべての人に持続可能な健康と福祉を』というお話がとても印象に残りました。また渡邉先生の長きにわたる研究の成果やそれを踏まえた長期的に安定したインプラント治療症例を供覧させていただき非常に有意義でした。今後の超高齢社会におけるインプラント治療や対応策なども今後の大きな課題となるので、患者の長い人生を見据えた治療を提供できるように努めていくことを決意しました。
13:00~15:00 インプラント治療のトラブルシューティング
担当:矢島 安朝 先生
インプラント治療におけるトラブルへの対応や社会的な問題などを中心に講義がありました。訴訟がおきた場合に、弁護士は口腔インプラント治療指針2012を基にして議論を行うことが一般的になっていると聞いて、私は指針の内容の把握が不足しているので、これを機に指針を学びなおす必要があると感じました。トラブル時には国民生活センターへの問い合わせが必要であることやインプラントの撤去基準がないことが非常に重大な問題になっていることを学びました。さらに歯科医療従事者において患者の全身状態の把握や全身疾患への知識不足が大きなトラブルを招きます。患者の急変時に私たちが行う対応がその後の患者の生命にかかわり、訴訟などで論点になる可能性も大いにあります。日頃からいろいろな場面を想定して、当院のスタッフ全員でシミュレーションしておくことが必要と感じました。また歯科医師としてのあり方について再認識させられました。ただ治療をこなすだけでなく、国民全体の全身の健康や健康長寿に貢献できる歯科医師になりたいと思いました。
15:00~16:00 これからの専門医のあり方
担当:矢島 安朝 先生
専門医制度の仕組みなどこまかく説明ありました。今後のインプラント治療において専門性がかなり重要視される社会になることに備えること、専門医取得が必須の時代を想定する必要と感じました。
16:00~17:00 医療訴訟から学んだこと
担当:杉山 正美 先生
杉山先生のご経験を踏まえた医療訴訟についての講義でした。講義の内容は他人事では全くなく、いつ自分が当事者になってもおかしくないなと思いながら聴講しました。日常のささいな私たちの言動や行動によって、患者それぞれのとらえ方が異なり、訴訟の原因になる可能性があります。自分の行動や発言に責任を持ち、患者の立場にもたって考え行動していくことを心に決めました。また何事に対しても理論立てて、説明する力がとても重要なので、日頃から訓練をしっかりしていこうと感じました。
【2日目】
9:00~10:30 人生100年時代の嚙める歯周治療学
担当医:横田 誠 先生
歯周治療の今までの概念を覆す内容の講義でした。いろんな方向から物事を考えられるように日々アップデートしていきたいと思いました。
10:30~12:00 インプラント治療における法
担当:若松 陽子 先生
弁護士の立場からの専門的なお話を聞くことができとても有意義な講義でした。実際の裁判になったときは、患者サイドが優位になる場合が多いと聞き、自身の身を守るためには、カルテ記載や同意書の取得など常日頃の業務を徹底して抜けがないように心がけていきたいと思いました。
弁護士の立場から見た過去の判例の解説がとてもわかりやすかったですし、改めて自身の日々の行動や言動を見つめなおす必要性を感じました。また普段使用している同意書等のアップデートを今後行っていきます。
13:00~15:00 口腔インプラント治療に伴う上顎合併症への対応
担当:佐藤 公則先生
歯科疾患と関連が深い上顎洞合併症について詳しく講義がありました。今まで診療のなかでパノラマやCT撮影した際に上顎洞に異常があれば歯科治療を回避したり、なんとなく耳鼻科受診を促したりしていました。今回の講義を聞いて上顎洞の排泄機能が保たれているかいないかで、診療の方針を決定することが重要と学びました。また抗菌薬の選択やインプラント治療に対する対応なども非常に参考になりました。耳鼻科から見た歯科疾患の取り扱いなどもとても新鮮でした。日々の診療の中で自分の中で講義の内容を活かしていきたいと思います。
【100時間コースを終えて】
今回私は、2回目から本セミナーに参加させて頂きました。長期間のセミナーに参加するのは初めてで、参加当初はこれから長く熊本に通うことになるなと思っていましたが、あっという間に最終回を迎えてしまいました。以前より、香月武先生からお誘いは受けていたのですが、なかなか受講ができない状況にあり本年の5月より実家の歯科医院で勤務することになり、ようやく受講することができました。それまではインプラント治療に関して興味はあったものの、なかなか自分では実行できる環境にいなかったことや、本来口腔外科で研修をしたにも関わらず外科的な治療から少し遠ざかっていた面もあり、本セミナーに参加することは不安だらけでした。参加当初は、講師の先生方の素晴らしい症例の数々を供覧させていただいても、自分にはこんなにすごいことはできないと否定的に講義を受講していました。しかし講師の先生方はインプラント治療の初歩的な質問やささいな日常の診療の疑問点などでも熱心に答えてくださいました。そのおかげで先生方に教えていただいたことを実践したいという気持ちがだんだんと強くなりました。はじめは簡単な症例を見つけてトライすることが大切と伊東隆利先生がアドバイスをしてくださり、まずは確実に1本のインプラントを埋入し、しっかり機能するように上部構造をセットすることからはじめていこうと思いました。現在は自分の患者様に対して積極的にインプラント治療を提案し、同意を得た患者様には来年には埋入オペができるように準備を進めているところです。
本セミナーではインプラント治療の学習だけでなく、医療従事者としてのあり方、これからの社会における歯科医師の役割など、歯科医師としての原点に立ち返らせていただけるようなお話も多々ありました。特に小宮山彌太郎先生の講義で、患者に敬意をもつことを忘れないというお話には非常に感銘を受けました。普段当たり前に行っている歯科治療ですが、私たちが行っていることは患者一人一人の生活や人生を大きく左右する可能性がある作業です。一人一人の患者に真摯に向きあい、自分の持てる最大限の治療を提供することが求められます。また歯科治療は歯科医師一人で行うことはできません。診療を支えているスタッフや来院してくださる患者様、さらに自分に与えられている環境に感謝して仕事を行う人間になっていきたいと思いました。
今回KIRGで学んだ膨大な知識をまだまだ消化できていない状態ですが、しっかりと復習し、日々の診療の中で必ず活かせるように研鑽していきます。
伊東隆利先生をはじめ講師の先生方、運営のスタッフの皆様、29期の受講生の先生方にお礼を申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
2023年度 九州インプラント研究会 第8回 感想文
2023年11月18日、19日
第29期 落合 友香(大阪府 落合歯科医院)
長いと思った8ヶ月間もあっという間に過ぎました。
毎回様々な分野のエキスパートの先生方から長年にわたる研究や臨床の話が聞けました。
エビデンスに基づいた話が多く、基礎から知識を深めることができました。
また臨床で即応用できる話も多く、日曜日に学んだことを次の日の月曜日にインプラントを希望し来院された患者様に話し、信頼を得たこともありました。
今までインプラント治療をしてきましたがあまり深く考えることなく治療してきたことを反省しました。
インプラント治療の歴史、基礎研究や臨床研究によって今日のインプラント治療があり、それはこれからも進化していくことを感じ、継続して勉強し臨床を行なっていかなければならないと思いました。
講習の期間中、他院にて矯正治療後来院された患者様の治療で悩んでいた時、飯島先生のITインプラントを知り、是非診療に取り入れたいと思い先生のコースを受講しました。その際手術見学(光栄なことにアシストに就かせていただきました)をさせてもらったのですが前歯部のインプラント埋入手術が5分で終わり、かなりの衝撃を受けました。先生のご経験も大きいと思いますが準備をしっかりしておけば手術は短時間で終わるということを目の当たりにしました。
また広島の小笠原先生の手術を見学した際もスタッフとともに治療計画をたて、自院で製作した手術用ガイドを使用し手術が簡単に終わるのを見て、スタッフ教育の大切さ、準備の大切さを学びました。
他院の見学はとても勉強になり今後もぜひ機会があれば先生方のクリニックを見学したいと思いました。
土曜日の夜は毎回懇親会に参加させていただき美味しい食事を摂りながら先生方の話を聞くのも楽しみでした。
KIRGの先生方は皆さん優しく、患者さんに対して真摯に診療をしておられることに感銘を受けました。
また奥様を大切にされている先生が多く羨ましく思いました。
同期の先生方とも楽しい時間を過ごし、皆さん真剣に臨床に向かい勉強されている方ばかりでとても刺激になりました。
私のこれからの目標は日本口腔インプラント学会の専門医になることです。
大きな目標ができたことで気が引き締まり日々の臨床もより楽しいものとなりました。
また歯科医師として先生方のように個々の患者様に誠実に対応し自分の研鑽を積んでいきたいと思います。
8ヶ月という今思えば短い間でしたが伊東先生をはじめ講師の先生方には毎回素晴らしい講義をしていただきありがとうございました。しっかり消化し血肉化し臨床に生かしていきます。
毎回準備をしていただいた事務局の方々も本当にありがとうございました。
熊本という地もとても魅力のある土地で熊本城・天草・阿蘇・ワンピース(家族もスタッフも大好きです。)などいつかゆっくり観光に訪れたいと思います。
1月の九州支部学術大会、3月のKIRG総会にも参加しまずは専修医を目指します。
今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。
8ヶ月間ありがとうございました。
櫻井先生も仰ったとおりKIRG講習会は最高です!
講師の先生方
講師の先生方
フェアウェルパーティー
長年勤めていただいた事務局佐藤さんを労う。ご苦労様でした!!
熱心な受講生
修了式
修了式
修了式集合写真