KIRG100時間コース 報告書 2016年9月25日 担当 竹田博文
林揚春先生 「カルシテックインプラントの基本と臨床」
2日目の午前中はカルシテックインプラントの基本と臨床というテーマで林揚春先生の講義が3時間行われた。
主に、チタンインプラントとHAインプラントの使い分け、抜歯即時埋入インプラント、抜歯即時埋入インプラント治療での歯肉の高さのコントロールの話をされた。
チタンインプラントとHAインプラントの使い分けについては、HAのバイオインテグレーションの特性を活かして、1.骨質がタイプⅣ 2.抜歯即時埋入3.骨欠損が大きく初期固定が取れない 4.上顎洞の骨量が少ない などが適応症となる。骨質、治療内容の違い、治療期間によって、使い分けるという話があった。
また、インプラント治療を行う際、1.痛みや腫れを起こさないようにしているか 2.治療回数が少なく期間も短いか 3.治療期間中のQOL低下を防ぐ配慮をしているか 4.クオリティおよび予知性が高いか といったことを考慮して行う必要があり、そのための抜歯即時埋入インプラント、早期荷重・即時荷重が今後必要であり、中心となるということであった。
即時埋入インプラントを成功させるためには、抜歯窩の掻把を確実に行い、埋入位置(深さ、唇舌的な位置、近遠心的な位置、角度と軌道)、ボーンハウジング、上部構造のサブジンジバルカンツァーの形態を考慮して行う必要がある。そして、埋入トルク値を知るためのトルクラチェット、ぺリオテスト、オステルなどを使って自分のインプラント治療について客観的知り、経験を積んでからは早期荷重・即時荷重の可能性を探っていかなければならないと話された。
歯肉の高さのコントロールは、即時埋入は唇側骨の吸収は起こるが、歯肉の高さのコントロールはしやすい。ソケットシールドは、唇側骨の吸収がないが、歯肉の高さのコントロールはできない。治療計画では、それをよく理解して歯肉の高さの調和を図れるように計画するといった話があった。
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KIRG100時間コース 報告書 2016年9月24日 担当 土屋嘉都彦
第六回KIRG 日本口腔インプラント学会認定講習会の第1日目が9月24日に熊本歯科医師会館で行われました。
まず午前中は、福岡開業の糸瀬正通先生がご講演され、30年近い経過症例を通しての、バイオセラムの経験、ティッシュレベル、ボーンレベルインプラントの特徴、抜歯即時埋入・待時埋入の違い、それに伴う臨床の詳しいテクニック、さらに、ピエゾサージェリーを使ったスターティングホールの形成の仕方、基本的なインプラント補綴の考え方についても、詳しいスライドと共にご提示いただきました。また、今度発売になる新しいインプラントであるFINESIAインプラントの表面構造、スレッドデザイン、HAコーティングなどの特徴から導き出される可能性をご講演されました。
午後に入り、宮崎開業の松井孝道先生がインプラント周囲炎の治療についてフッ素とインプラント表面との関係についてご講演頂きました。その中で、「インプラント周囲炎の治療は総力戦」という言葉が印象的なように、インプラント周囲炎の治療の難しさ、種々の治療法を駆使され真摯に周囲炎と向き合う先生の熱意が伝わる講演でした。松井先生考案のエアーアブレイジョンや、光照射による新しい殺菌法など、またご自分で標本を取り元素分析をされ考察されている講演内容にも、頭が下がりました。
続いて、熊本開業の竹田博文先生がデンツプライ社のアンキロスインプラントについてお話しされ、アンキロスインプラントの特徴、審美部位での利点、アバットメントの問題点、アンキロス特有の骨縁下埋入の仕方、補綴装置の使い分け(アバットメントの選択、スクリュー固定、セメント固定)などを詳しい考察を踏まえてご講演されました。
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KIRG100時間コース 報告書 2016年9月25日 担当 堀川正
午後からは、会員の土屋直行先生による「インプラント治療と矯正治療」の講義が行われました。歯牙のポジションに問題がある場合、矯正治療は有力な治療オプションとなります。インプラントを矯正治療に利用した症例、インプラントと矯正治療を組み合わせた症例など様々な症例を供覧され、移動する天然歯と移動しないインプラントの違いを理解した上で予知性の高いインプラント治療を行う為のポイントをお話して頂きました。
続いて、土屋嘉都彦先生による「インプラントオーバーデェンチャー(IODs)」の講義が行われました。この講義は高齢化社会を背景として今年から取り入れられました。まず様々な文献やデーターからIODsが臨床応用される理由と利点欠点を解説され、不十分な術者の技術を補うものではなく、しっかりとした義歯の知識が伴って初めて有効に機能する治療法である事を解説されました。そしてIODsの治療のポイントを様々な症例を通じてお話しして頂きました。講義終了後は会場から15分以上に渡る多くの質問がなされ、受講生にとって大変有意義な時間になったものと思われます。
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九州インプラント研究会22期 大串 奈津貴
9月に第5回目が執り行われ、1日目は糸瀬先生による京セラの新しいインプラントシステムであるFINESIAについてのお話とインプラント術中のコツや注意点を教えて頂きました。抜歯窩へインプラントを埋入する際には、意図した方向とは違う方向にドリリングしてしまいがちであるが最初にピエゾを用いてホールを掘ることによって、術前に計画したようにドリリングができることはとても興味深く拝聴しました。また骨補填材の操作性を良くする方法や様々な補填材の特徴なども丁寧に教えて頂き、すぐに臨床に役立つ内容でとても良かったです。
午後には松井孝道先生による「インプラント周囲炎の治療法とメインテナンスについて」講義をして頂きました。インプラント治療後にインプラント周囲炎を発症する可能性は十分に考えられますが、その対処法として光殺菌(LAD)やエアーアブレージョン、Er-YAGレーザーを用いることなどを教えて頂けました。
午後の後半は竹田博文先生から講義をして頂き、上顎前歯部などの審美領域におけるインプラント治療の考考え方について教わりました。懇親会では講師の先生方と席を一緒にさせて頂き、講義中では聞けなかった更に深いお話をお聞きすることができました。
2日目の午前は林揚春先生による「カルシテックインプラントの臨床」についてお話をして頂きました。まず林先生からはインプラントの埋入位置やオッセオインテグレーションの客観的な判断基準などインプラントをするにあたって基本的なことから教えて頂き、あらためて知っていなければいけない基本知識を再認識することができました。また抜歯即時インプラントについてのお話もあり、林先生の素晴らしい症例に感激し、すぐには真似できないものでしたがいつかは私もできるようになりたいとモチベーションがあがる講義でした。
午後の講義では土屋直行先生による「インプラントと矯正治療」についてお話があり、長期的にインプラントを安定させるためにはやはり矯正治療も必要であると考えられ、幅広い知識と技術を習得してインプラント治療に取り組まなければならないと感じました。
午後の後半は土屋嘉都彦先生の「インプラントオーバーデンチャー」についてで、IODの選択基準や設計について学ぶことができました。費用の事も考慮するとIODも患者さんのQOLを高める手段としてとても有効であると感じました。
今回の2日間もとても充実した内容で、日々の臨床に役立つ事ばかりでした。セミナーも残り僅かとなりましたが少しでも多くの事をKIRGの先生方から学び吸収していきたいと思います。
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九州インプラント研究会 22期生 田中利幸
九州インプラント研究会第22期生の田中です。
9月24、25日の二日間、講師の先生方、開催にあたり尽力してくださった先生方、スタッフの方々ありがとうございました。
一日目は糸瀬 正通先生、松井 孝道先生、竹田 博文先生による講習でした。
糸瀬先生はPOI EXインプラントシステムの概要、臨床を勉強させて頂きました。術中にCTを撮影してインプラントの埋入方向を確認されているのは初心者である私も暫くは行っていこうと感じました。
松井先生はインプラント周囲炎の治療法を実際の流れで勉強させて頂きました。周囲炎のリスクは先生の取られた統計上、BOP率の方が重要であることを理解してなるべく周囲炎が起こらないように実践していきたいと感じました。
竹田先生にはアンキロスインプラントの概要、臨床について勉強させて頂きました。プラットホームスイッチイングの特徴を理解できたと思います。
二日目は林 揚春先生、土屋 直行先生、土屋 嘉都彦先生による講習でした。
林先生は豪快な講義に圧倒されながら、抜歯即時埋入時の臨床を勉強させて頂きました。前歯部の即時埋入時にGBRを行わずに唇側の歯肉がコントロールされて補綴物の形態により歯茎ラインが回復していたのには感銘を受けました。
土屋 直行先生は矯正治療、矯正治療時のインプラント埋入(固定原)としての治療法を勉強させて頂きました。歯科医師たるものすべての治療法を取得しなければならないと感じました。
土屋 嘉都彦先生はインプラントオーバーデンチャーについて教わりました。IODsの前に全部床義歯学の勉強、IODsの利点、欠点を理解したうえにロケーター、粘膜部の受圧、加圧のバランスを考慮した設計を考えて患者さんに還元しなければならないと感じました。
2日間の講習は大変短く感じて有意義な時間を過ごせました。被災地熊本県の復興のみなぎる活力のように自分も頑張っていきたいです。講師の先生方本当にありがとうございました。残り、2か月となりましたが、よろしくお願い致します。