KIRG 23期 久鍋 司
今回でKIRG100時間コース3回目が終了しました。今回はインプラント治療におけるインフォームドコンセント・インプラントの治療計画・インプラント治療に必要な咬合の基礎知識、そして実習では豚骨を使用しての切開・剥離・縫合の手技練習をしました。
・阿部先生によるインプラント治療によるインフォームドコンセント
インプラント治療時には患者様とインフォームドコンセントをしっかりしておかないと後々のトラブルを起こしたりするので、歯科医師と患者様の信頼関係が改めて大事だと思いました。
特に、先生ご自身の経験をふまえたお話で良好なコンプライアンスを得るためのポイントをいくつかあげてとても勉強になりました。
・澤瀬教授によるインプラント治療計画
澤瀬教授の講義ではインプラント治療の理念から始まり、いくつかの症例をあげて、どうしてインプラント治療が失敗したのか、どうしてインプラント歯周炎になったのか原因を説明していただきとても参考になりました。
特に印象に残ったのは骨密度・骨質のお話で興味深いものでした。
・永井先生によるインプラント治療に必要な咬合の基礎知識
永井先生の講議ではインプラント治療を成功させるための必要条件として、補綴物・咬合の安定を話されていました。講議で話されていた症例では咬合の付与によって、インプラントのインテグレーションの損失が起こったり、咬耗・磨耗による顎位の偏位が起こったりと興味深いものばかりでした。
・香月先生による口腔外科手術の知識と実技
香月先生の講議では切開・剥離・縫合を基礎から学びました。切開・剥離・縫合は外科において基本中の基本ですが、それを正確かつ迅速に行うことで手術の時間も短くなり患者様に対する侵襲も最小限にできると思いました。最後にZ形成術の実習もできて有意義な時間でした。
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KIRG 23期生 大林歯科小児歯科医院 髙尾直宏
第3回目報告書
阿部先生 インフォームドコンセント
開業医としてインプラント臨床を長く経験されている阿部先生の講義は、われわれの日常臨床で起こりうる様々な場面に最も即した内容でした。ややもすれば、個人医院では疎かになりがちなインフォームドコンセントですが、ことインプラント治療においては、必ず同意書をつくること、治療計画書を文書で渡すこと、治療の欠点や失敗のリスクを説明すること、術後の状態を事前に説明しておくこと、他の治療法についての説明をするなど、患者との信頼関係に基づいた診療契約を行う上で極めて重要なことだと認識させられました。また、「医療には不確実性がある」ことや、「医院は豪華でなくても清潔でなくてはならない」、「40分以上開口させるのは苦痛だからオペは1時間以内でする」など、大変示唆に富んだ言葉が印象的でした。
澤瀬先生 インプラント治療計画
インプラントと骨に関する話が中心で、非常にアカデミックな講義でした。なかでも、普段用いられているオッセオインテグレーションという用語には誤解があり、荷重が加わって初めてオッセオインテグレーションであることや、先生自身の研究によって、荷重を加えたほうが骨細胞の細胞突起数が多いのが分かったことなど、とても興味深い内容でした。また、治療計画において重要な埋入位置の決定や、アバットメントのbutt joint、taperd jointの長所と短所など、受講するまではあやふやでしたが、わかりやすいスライドと解説でよく理解できました。最後に、「インプラントは病気そのものである」つまり、メインテナンスしないと維持できないという言葉は非常に考えさせられました。
永井先生 インプラント治療に必要な咬合知識永井先生 インプラント治療を成功させるための局所的必要条件
われわれ初心者にとってインプラントいえば、とかく手術をイメージしがちですが、インプラント治療が成功するためには、歯周組織の安定と補綴物・咬合の安定が必要不可欠であることを教えて頂きました。特に咬合に関する先生の知見は深く、圧倒的な資料と症例に感銘を受けました。インプラント治療の最終的な目的は咀嚼機能の回復であり、常に咀嚼機能運動のイメージを持って手術や補綴治療に取り組んでいきたいと思います。
香月先生 口腔外科手技の知識と実技
香月先生の講義では、外科の基本である切開、剥離、縫合の知識を教えて頂き、さらにブタの下顎骨を用いて実習を行いました。普段はあまり意識せずに切開や縫合を行っていましたが、改めて外科の基本的な知識と技術を教えて頂き、再確認できる機会となりました。また、清潔不潔の考え方やインプラント手術では、手術室を設けて手術をするべきであるという先生のお考えに非常に共感を覚えました。今回教わったことを今後の診療にぜひ活かしたいと思います。
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認定講習会第三回目感想 KIRG100時間コース23期生 中野由布児
〇 阿部先生によるインフォームドコンセントの講義
昨今、ネットや雑誌などでのインプラントの批判などにより、ネガティブなイメージを持っている人も少なからずいる事もあり、インプラント治療時においては、インフォームドコンセントをしっかりと行い患者さんの不安を取り除き、信頼関係を築く事が大切であると学びました。
〇 澤瀬先生によるインプラント治療計画、診査・診断の講義
まず基本的な骨の説明から骨質についてのお話がありました。
中でも、骨の構造が機械的な荷重に適応していくという点や、咀嚼荷重に伴う配向性の変化についてはとても興味深く、また現在先生が研究されている即時荷重のお話にはひきこまれてしまいました。
また、インプラントのシステム、埋入ポジションのルール、補綴主導型の埋入計画などを話していただきました。
〇 永井先生によるインプラントの咬合の講義
最初に臼歯部欠損にインプラントが埋入され、機能が回復されているスライドがありましたが、「実はその事が新たな問題発生の素地づくりをしてしまったともいえる」というお話を聞き、術者としての責任を改めて感じました。
咬合に関しては、歴史から理論、顎位の決定などの話があり、自分の咬合に対する知識の浅さを痛感しました。
〇 香月先生による外科的知識と実技
まず頚部郭清のビデオを見ましたが、解剖の写真などで見るのとは違って頚部のイメージが非常に持ちやすくなりました。
実習は手洗い、器具の基本的な使い方から切開、剥離、縫合などを行いました。
中でも自分が苦手な縫合を基本から教えて下さり、なんとかできるようになりました。
日々、しっかりと練習していきたいと思います。