九州インプラント研究会 歯科衛生士部会
第18回学術講演会 報告
2019年8月25日(日)に、くまもと県民交流会館パレアにおいて、九州インプラント研究会歯科衛生士部会第18回学術講演会を開催し、45名の参加がありました。
九州インプラント研究会(KIRG)を代表して、会長の伊東隆利先生(伊東歯科口腔病院)から開会の挨拶をしていただき、今後のKIRG事業の報告およびDH部会への連絡がありました。
今回は、廣瀬知二先生(熊本県:医療法人伊東会伊東歯科口腔病院 訪問診療部長)から「インプラント患者が通院できなくなったら」をテーマに講演されました。
第16回講師の森永太先生(佐賀:森永歯科医院)、第17回講師の園田隆紹先生(熊本:共愛歯科医院)の講演でも紹介されましたが、これからむかえる超高齢社会について、厚生労働省や報道等の資料を用いて説明されました。その中で、訪問診療現場で見られるインプラントの不具合・不調について、高齢者の口腔内の状態も踏まえながら症例報告があり、そのトラブルの対応について報告がありました。
撤去についても軽度から困難なケースがあり、全身状態のことから安易に処置ができない場合や、口腔衛生の維持についても患者が高齢であることから難しい例も報告されました。
今まで訪問診療は義歯等や口腔ケアが中心から、だんだんインプラントの症例の不具合が増えてきているが、インプラントが挿入されていることすら把握されていない状況があること、訪問診療を行っている歯科医にインプラント専門医が少ないこと、また逆にインプラント専門医で訪問診療を行っている方が少ないことなどの問題点が山積みである。また対応についても、高齢患者の様々な状況からどの治療が最善なのか判断が非常に困難であることを話されました。
今後は、(公社)日本口腔インプラント学会や一般社団法人日本口腔ケア学会等で方針や指針が検討・発表され、どのような対応を取るかに道筋ができるのではないかと思われるとのこと、何かご意見等があれば、ご連絡をお願いいたします。
次回は2020年3月29日(日)に熊本県歯科医師会において第19回歯科衛生士部会学術大会(九州インプラント研究会第21回学術講演会併催)が開催されます。歯科衛生士会員の中からも会員発表が行われる旨、連絡がありました。