KIRG100時間コース 報告書
2017年 8月19・20日 津田 禮彰
暑い日が続いていますが、KIRG100時間コースも後半に突入しました。
添島 義樹先生による「Straumann Bone Level Implantの特徴」
Strawman Implantの歴史から、「Tissue Level Implant」と「Bone Level Implant」の違いや特徴、適応症を詳しくわかりやすく説明していただき、基本的なことではあるとは思いますが今まで曖昧だったことを理解することができました。
加来 敏男先生による「Straumann Guided Surgeryの臨床」
Guided Surgeryは当院においても最近ルーティン化を目指しており、しっかり理解し使用することでより安全で正確な手術が可能になると思います。講義では多くの実際の臨床例と合わせて、利用するうえで必要な知識、特徴を説明して頂きました。また利用するにあたってズレをなくすためのテクニックも教えて頂き、大変ためになりました。
田中 秀樹先生による「インプラント審美補綴のポイントと抜歯即時埋入」
審美領域ならではのインプラントの難しさや治療するにあたっての考え方を説明して頂きました。審美領域でのトラブルは大きな問題と成りえるため、対策も含めて的確な診断がいかに大事であるか、長期的な経過を見るうえで天然歯とインプラントの違いを患者さんに説明することの重要性を再認識しました。
井上 孝先生による「インプラントの病理。病態学そして検査学」
第2回(5月)に予定されていた講義の補講でした。インプラント体を埋入した際の軟組織や硬組織における生体の反応について詳しく教えてくださいました。またインプラント手術を行うにあたり、全身疾患の把握、検査の重要性も説明して頂きました。
武田 孝之先生による「インプラントリスクファクター 義歯への応用」
なぜ問題が起こったのか、なぜ歯を失うことになったのかリスクファクターを分析することの重要性、また家族歴、年齢、社会的背景、全身状態などを踏まえ治療計画を立てる必要性を教えて頂きました。インプラントの長期経過症例も出てきた近年、インプラント手術を行うにあたりそれを見据えて治療計画を立て、患者に説明しないといけないと考えさせられました。
飯島 俊一先生による「Straumann Implantの基本と臨床 (講義・実習) 」
Straumann Implantの初期から現在に至るまでの歴史、Straumann Implantの特性、各種の使い分け等を解説していただきました。後半は模型を用いて実際にStraumann Implantの埋入実習を行いました。実際に埋入することにより、埋入位置や角度のずれやを実感することができました。
今回も内容が濃く充実した回だったと思いました。
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第23期 日本口腔インプラント学会 認定講習会
8月報告書 名和歯科医院 名和 佳宣
今回で5回目を迎え、このコースも早いようで折り返しとなりました。
先月は自分の症例を多くの先生に見て頂き、厳しくも的確で温かいお言葉を
沢山頂戴いたしました。もちろん先生方の講義を受けることで多くの知識を得ることは出来ますが、
普段自分がうまくいかなかったり疑問が残る症例等を見て頂き、直接アドバイスいただけたことは
これからの自分の臨床にとって大きな糧となりました。
今後もこのような機会があったら必ず積極的に発表し、少しでも自分の臨床力・診断力アップに
つなげていきたいと思いました。改めてお礼申し上げます。
さて講義内容ですが、添島先生のボーンレベルインプラントについては、自分も使っているストローマンのボーンレベルについてその特徴とティッシュレベルとの使い分けについて教えて頂きました。今後は自分もこの二つのシステムを適応症を選んで使っていこうと思います。
次に加来先生からはガイドサージェリーについての話でした。CTをもとにシュミレーションした位置に埋入できる便利で簡単に出来そうなシステムと感じた。しかしガイドがずれると逆に埋入位置も大きくずれるので事前の計画、術中のガイドの確実な固定などが重要であることを学んだ。
田中秀樹先生からは前歯部審美部位へのインプラント補綴について教えて頂いた。提示されたどの症例も審美的で素晴らしかったが、ジルコニア同士だとカチカチ音がしやすいなどちょっとした臨床のヒントなどもたくさん教えていただき先生の引き出しの多さに改めて感じさせていただきました。
井上孝先生からはインプラントの病態学の話でした。正直病理の話はあまり興味がないなとはじめ思っておりました。しかし先生の講義が進むにつれてだんだん引き込まれていく自分を感じました。基礎だけの話にとどまらず、歯根膜付きのインプラントの最新の研究の話などすごいと思いました。歯科と医科ともっと対等に話ができるように努力していかないといえないと考えさせられました。
次の日の武田孝之先生はインプラントのリスクファクターの話でした。はじめに一つの症例をもとにどこに問題があり、どう診断し、どう治療するのかという投げかけがありました。改めて口腔内をしっかり観察し診断することの大切さを教えて頂きました。特にTCHやパラファンクションのある患者さんは壊れる。力のコントロールは難しいですが、とても重要な事だと思いました。
飯島先生からはストローマンインプラントのシステムの話と実習でした。マイクロギャップがないティッシュレベルの利点を再確認でき、自分の臨床に取り入れようと思いました。
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KIRG23 期 三隅歯科医院 三隅寛
早いもので 100 時間認定講習会も今回で 5 回目となり後半戦に入りました。一日目は朝九時から夜七時までみっちりと講義を、二日目は講義の後に模型にストローマンインプラントの埋入実習がありました。熊本の暑い夏真っ盛りのこの時期に講師の先生方には 2~3 時間を超える内容の濃い講義をして頂きまして本当に頭の下がる思いです。
各講義の個別の感想については他の受講生の方も書かれていますので KIRG の今回までの総括的な感想を述べてみたいと思いますが、まずはやはり講師陣の豪華な顔ぶれでしょう。全国の第一線で活躍されている先生方が自身の貴重な症例を単なるスライドだけでなく時には治療中の動画なども交えて解説があるので理解しやすく、決して綺麗にまとまった症例ばかりでなく失敗してしまった症例のなぜ失敗してしまったのかを考察した講義などは得るものが多いです。
また、受講生の先生方も高い意識を持っており積極的に質問したり意見を出したりするのでとても刺激になります。
毎回一日目の夜には懇親会があり殆どの先生方が出席するので講師の先生に講義では聞けなかった事が気軽に質問が出来たり、他の受講生の先生との意見交換などが大変有意義です。
そして、KIRG のカリキュラムの中には手術見学があり全国の会員の先生の歯科施設で見学する事が出来ます。私も先日伊東歯科口腔病院にお邪魔して伊東会長自らの執刀でインプラント埋入を見学して来ました。大勢で遠くから眺めるのではなく、ほぼ1対1で伊東会長が手術の流れを解説しながら術野を逐一見せて頂けると言う大変贅沢なものでした。手術後は外来治療見学や施設案内などもして頂き、他の講習会では味わえない実りのある手術見学でした。
100 時間 8 回の講習会も残り 3 回となりました。これまでの内容もボリュームが多すぎてまだ自分の中でまとまり切れておりませんが最後まで気を引き締めて行きたいと思います。